大陸浪人列伝

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大陸浪人の定義

大陸浪人とは、明治時代から第二次世界大戦終結までの時期に活躍した、日本人の国際人モデルともいえるような、集団をいう。支那浪人ということもある。

彼らは様々な国際的活動をしていたが、その中心は政治活動だった。活動域は中国大陸からロシア、シベリア、中央アジアまで広がるユーラシア大陸、そして東南アジアなど、広大である。これらの地域に居住したり、遊学放浪して政治活動を行っていた。

彼らのことを「国家主義・対外膨張論を抱いて大陸各地に居住・放浪した民間日本人」とみる人々もいる。このような見方は大陸浪人の一部を説明したに過ぎない。なぜならば、日本の対外進出を支持していた大陸浪人は一部であり、また、大陸浪人には軍人や官吏もいたので民間人ばかりではない。

そして、何よりも政治活動を彼らの活動の中心と位置付けるのは当たらないかもしれない。彼らの多くは、日本の海外進出を主導した軍部や国策会社と結びついて、自らの経済活動を主な目的としていたのではないかという見方もできるからである。

そもそも、「大陸浪人」とカテゴライズされる人々をどのように選別するかによって、その定義は変容するのである。

簡単に言えば、明治時代から始まる日本人の国際的活動の中、特に、自らの経済的な目的、政治的な理想を持って活発に活動していた人々がおり、彼らを大陸浪人と呼ぶ。彼らの活動は日本の外交政策に影響を与えるほどの力を持ったということである。